大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)819 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人須々木平次同杉原尚五の上告理由第一点について。

原審は、亡DがE商店を経営し、本訴物件が、その営業用財産であつた事実、E

商店の営業用財産については、原判示のような権利の移転承継があり、結局、本訴

物件は、昭和二三年二月二〇日E商店の営業と同一の事業を目的とする被上告会社

の設立に当り、すべて被上告会社に出資され、被上告会社がその権利を取得した事

実を確定しているのである。したがつて、たとえE商店の当初の営業用財産の内容

につき、所論のような増減変更があつたとしても、それがE商店の営業用財産に属

する以上、他に特段の事情の認められない本件においては、その権利は、当時の右

営業用財産の権利者に帰属したものというべく、したがつて、本訴物件は被上告会

社の権利に帰した旨の原審の判断は相当である。それ故、原判決には、所論のよう

な判決に影響を及ぼすことの明らかな法令違背があるものとはいい難く、論旨は採

ることを得ない。

同第二点について。

本件和解条項(乙一号証)の第三項には、「申立人(上告人)は第一項現物出資

の物件及び登録商標を相当賃料で相手方会社(被上告人)に賃貸することを約する。

但し賃貸条件については相手方会社(被上告人)が其存続条件を具備すれば遅滞な

く協議の上定める」旨の記載があることは、所論のとおりである。しかし、原審認

定の事実関係および本件紛争の経緯を参酌すれば、右のような賃貸借については、

未だ必ずしもその永続性が確実であるとはいい難く、右和解は、到底所論の如く被

上告会社の従来の営業になんら影響がないと認めることはできないのである。 (

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現に、上告人は、反訴において本件営業用財産の引渡を訴求している)。所論は、

右和解条項第三項が存することにより、被上告会社は従来どおり営業を継続し得る

ことを主張し、そのことを前提として原判決の法令違背を主張するもので、到底採

用することを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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